ベンチャーウォッチャー

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ミリオンダウトは、“人生で勝つための選択力”を養えるウィークネス・ファインダーだ

 スマホゲームといえば、最近ではもっぱらポケモンGOが話題となっていますが、普段、スマホゲームをしない私が今年の春くらいから珍しくハマっているゲームがある。それは昨年の12月にリリースされた『ミリオンダウト』というゲームだ。内容はトランプを使ったカードゲームで、シンプルながら戦略性もあり、非常に面白いゲームだ。

 通常ならここでミリオンダウトのゲームとしての魅力を紹介するところですが、それは他の方にお任せして、この記事では、自己分析ツールとしてのミリオンダウトの魅力を書いていきます。近年、囲碁や将棋などをビジネススキルアップの一環として習う若手サラリーマンがいるそうですが、そんな意識高い系の彼らにむけたリコメンド記事です。

ミリオンダウトのルール

 ルール説明は、リリース時に公開された「ねとらぼ」さんの記事の内容が分かりやすかったので引用します(一部改変しております)。  

  • 基本ルールは大富豪
  • 配られた手札を順番に場に出していき全てを無くすまでの早さを競う
  • 細かなルールは、「革命」「8切り」「11バック」「色縛り」のみで、あがりカードの制限はなし
  • さらに「カードを裏向きに出せる」というのがミリオンダウトの特徴で、そのカードが本当に場に出せるカードなのかどうかを見抜く「ダウト」の要素が追加されている
  • ダウトに成功すると、場に出されたカードの中から「ペナルティカード」を選んで敵に押しつけることが可能。本来のダウトでは場に出たカードを全て押しつけていますが、ミリオンダウトでは強いカードや便利なペアカードなどは除外してより不利なカードだけを渡すことができます

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ミリオンダウトで問われる“選択”はプレイヤーの人間性が反映される

 大げさかもしれないが、ミリオンダウトのプレイング(プレイの仕方)はプレイヤーの人間性が問われると思う。前提として、自分の手札と相手の捨て札などの公開情報から相手の手札を予想し、自分の手を決めていく論理的思考力が必要であるが、プレイを続けていると、どうしても論理的な思考だけではどうにもならない場面が出てくる。多くは、ブラフ(嘘出し、裏出し)とダウトをする場面だ。そして、そんな追い込まれた時にこそ、プレイヤーの人間性が問われる。わかりやすいところでいえば、ダウトが多い人は挑戦的、スルーが多い人は保守的な人間である可能性が高いなどだ。

 また、筆者の経験でいえば、複数回プレイをして相手プレイヤーが保守的な人間であると確信していながら、過度に強気な手(その時は革命)を出された際に、自分の判断を信用できずにダウトをしてしまい、負けてしまったということがあった。状況にもよるが、基本的に手札に革命ができるカードが来る確率は低いため、相手が革命をしてきたらダウトをするのが一般的だと思う。だが、あの場面では明らかに相手が保守的なプレイングをしていた中でいきなり大胆なプレイをしてきたので、自分の第一判断としてはスルーであったのにもかかわらず、それを信じることができなかった。自分は人生を振り返っても、自分の直感や判断を信じ切れずに、一般的な理を優先して失敗してしまうことが多い。つまり、そういった人生での“クセ”(選択の習慣)がプレイングに色濃く出てしまったのだ。逆にいえば、それらを分析し、自分の傾向を知って改善することで、人生における重要な選択肢の間違いを回避できる可能性もあると思う。つまり、ミリオンダウトは、単なるゲームではなく、プレイヤーの選択傾向を診断する自己分析ツールでもあるのだ。

ミリオンダウトはストレングス・ファインダーに成り得る?!

 現在のミリオンダウトのアプリにはタイプ別性格診断という機能がついている。プレイ内容からプレイヤーの性格を分析し、タイプ別にわけて通知する簡単な心理テストのようなものだ。常連の実力派プレイヤーたちからは不評なようだが、個人的にはミリオンダウトの本質をついたコンテンツで、方向性としてはアリだと思った。確かに今のままでは、診断の基準が論理的に示されていないので微妙なのだが、そこをしっかりとやれば、THPSやストレングス・ファインダーのような自己分析ツールとして使えるんじゃないかと思っている。

 ストレングス・ファインダーが自分の思考傾向の強みを示すのに対し、ミリオンダウトは、自分が何かを選択する際の傾向を示してくれる。とはいえ、これはライトな一般ユーザーは求めていないことだろうから、やるとしたら、アプリではなく、企業や大学などに営業をかけて別のシステムとして売り込む形になるのだろう。もしくは、「どれ切る?」を選択問題形式にして書籍にするとかかな。

 どちらにせよ、ミリオンダウト性格診断は精度をあげて、論拠をしっかりとしめせば、非常に有益なコンテンツとなるんじゃないかなと思う。